第四回 2013年5月
2013.05.01更新
皆さんお元気ですか。
淡い緑が心地よい季節になってまいりました。
今回は、企業の安全衛生活動での中心である安全衛生委員会ではどのようなことが議論・議題とされているのかお話ししたいと思います。
前回お話ししたように、より安全で快適な職場を実現するために3大管理を基本として展開・発展させてゆくことが重要となっています。
(1)健康管理に対しては、定期健康診断の実施とその結果を有効に使ってもらえる方策を議論します。
また、季節ごとに注意すべき疾患についての予防、例えば秋から冬にかけてはインフルエンザ、春には花粉症といった季節特有の疾患についてその年の方針を立てます。
(2)労働災害を未然に防ぐための「ヒヤリー・ハット」の検討。
「ヒヤリー・ハット」についてお話しします。
通勤を含めた就業時間内で、「ひゃっ!」としたこととか「はっ!」としたこと、いわば労災事故になる寸前の気づきに対する「事実」をいいます。 これは、労災事故の底辺には多くの「ヒヤリー・ハット」なる事実が重なってその結果、事故が生じるという考え方です。例えてみれば、水面上に見える氷山が事故であり、その下には多くの「ヒヤリー・ハット」なる事実の本体が隠れているはずだという考え方です。この水面下の「ヒヤリー・ハット」なる事実を顕かにして事前に大きな事故=労災事故を防ごうということです。
したがって、「ヒヤリー・ハット」の提出が多ければ多いほど、労災事故が生じる根元が顕かになり対策することにより、大きな事故を防げることになります。これら「ヒヤリー・ハット」を一つ一つ検討し、対策を考え職場全体に還元していきます。
(3)実際に生じた労災事故の詳細な分析と今後の改善と防止策の検討
以上が、安全衛生委員会で議論・検討されることの大まかな流れです。