第七回 2013年11月
2013.11.01更新
皆さんいかがお過ごしですか?
今回から「成人病=生活習慣病」に入りたいと思います。
<高血圧症について>
病名はその病気の特徴をよく表しています。この「高血圧症」もその名の通り血圧→高いとなります。また「病」を使わず「症」という字をあてているのにも意味があります。
そうです。「高血圧」は、一般にいう病気とはすこしちがうのです。高血圧症のほとんどは「ある一定の年齢に達すると徐々に血圧が上がってくる体質」が原因となっています。医学用語では「本態性高血圧症」といいます。高血圧体質の原因には、遺伝的・習慣的・環境的要素があげられます。
これらの要素が、複雑に絡み合って中年以降にいわゆる「高血圧症」となるのです。この段階ではまだ病気とはいえません。血圧が高い状態を放置して、全身の血管や心臓に負担をかけ続けていると本当の病気である、脳出血・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・腎不全等の恐ろしい病気に進展していくことになるのです。
よく患者さんで「血圧の薬を飲み始めると一生飲まなくてはならないのでイヤダ!」と言われる方がいます。しかし、高血圧は「症」であって「病」ではないのです。前述のような本当の病気にならないためにも、病気以前の体質改善のために薬(降圧剤といいます)が必要な人は飲むように勧めます。
もちろん、生活習慣における改善も必要です。
(1)塩分を控える(薄味に慣れる)
(2)寝不足やストレスをさける。
(3)たばこ・コーヒーをとりすぎない。
(4)適度な運動をする。
といったことはみなさんもよく聞くことと思います。血圧を正常に保つということは、血管を健康に保つと言うことになります。血管の健康はすべての臓器を健康に保つ必要条件と言えましょう。