第24回 2018年 6月
2018.06.25更新
最近の梅雨は、昔のような、しとしと感をもった柔らかい女性的な感じから、スコールを繰り返すような男性的な季節になってきたように思われます。
早速前回のつづきです。
では、臨床医学は全く科学的ではないのか?というとそうわけでもないのです。
臨床では理系でいう実験に代わるものとして、多くの人々を対象にして「人」のある種の傾向を統計学によって探っていくようなことをします。
薬剤の効果・副作用・など、科学でいう実験はネズミなどを利用したいわゆる動物実験の段階で終わりです。これにより、安全性や作用機序を確認後に恐るおそる多くの人で試してみるといった順序です。その結果を統計処理してその結果を利用していくことになります。例えば、ある薬品の目的する効果と副作用を投与人数をできるだけ多くして、それらの発現の様子を探ったりします。最近、臨床でよく聞く言葉として「エビデンスがあるか?」というのがありますが、これはまさに「統計処理上での証拠があるか」ということになります。意外に臨床でこの言葉を頻繁に使い始めたのはつい10年前のことです。いかに臨床が主観的、試行錯誤的であったかが解ります。