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第六回 2013年9月

2013.09.01更新

皆さんこんにちは。
今年の夏は、だらだら暑い日が続いています。これも温暖化のせいでしょうか?
さて、前回までで産業保険の概要を説明しました。要約すると、労働者は仕事にかかわる時間は家での時間よりずっと多く、生活習慣は、仕事場およびその関連において形成されることとなります。
そこで、仕事場の環境整備、仕事の内容とその仕方などが、健康管理には重要となるのです。
これらをよりよいものとして健康増進に資していくのが産業保険の目的であります。
前回まで、主として環境整備を中心として説明してきましたが、仕事の内容・仕方については例えば、鬱から仕事復帰するときのリハビリスケジュールの作定などがあります。
また、残業時間がある一定の時間を超えると本人と面談して、健康状態の把握と残業時間を減らすよう、勧告したりします。
このように個々個人との対話と相談が重要な一面もあります。

以上、6回にわたって産業医の概要を説明してきました。次回からはUpdateな話題を含めて、生活習慣病についてお話していきたいと思います。

第五回 2013年7月

2013.07.01更新

今年は、梅雨が短く暑い日が続いていますが、いかがお過ごしですか。
さて、前回までは安全衛生委員会で、どのようなことが議論されているかということを具体的にお話ししました。その中でも、「ヒヤリーハット」が事前に労災事故を防ぐためには最も重要な要素であることでした。
「ヒヤリーハット」は、その性格上、自分(あるいは他人)の不注意や失敗という側面があるために最初のうちはなかなか提出しにくいものですが、「ヒヤリーハット」として出されたものは、その内容のみが重要であって、誰が失敗したとか誰の不注意だとか言ったことは全く問題にしません。事実のみに注目して、それを素材に今後の労災防止につなげていくこととなります。「ヒヤリーハット」=色のついていない事実と言えるでしょう。
したがって積極的に提出することによって、労災事故の確率が低くなっていきます。
このように「ヒヤリーハット」は、労働安全上非常に重要で、企業によっては一定数以上提出するようノルマを課している場合もあります。

第四回 2013年5月

2013.05.01更新

皆さんお元気ですか。
淡い緑が心地よい季節になってまいりました。
今回は、企業の安全衛生活動での中心である安全衛生委員会ではどのようなことが議論・議題とされているのかお話ししたいと思います。
前回お話ししたように、より安全で快適な職場を実現するために3大管理を基本として展開・発展させてゆくことが重要となっています。
(1)健康管理に対しては、定期健康診断の実施とその結果を有効に使ってもらえる方策を議論します。
また、季節ごとに注意すべき疾患についての予防、例えば秋から冬にかけてはインフルエンザ、春には花粉症といった季節特有の疾患についてその年の方針を立てます。

(2)労働災害を未然に防ぐための「ヒヤリー・ハット」の検討。
「ヒヤリー・ハット」についてお話しします。
通勤を含めた就業時間内で、「ひゃっ!」としたこととか「はっ!」としたこと、いわば労災事故になる寸前の気づきに対する「事実」をいいます。 これは、労災事故の底辺には多くの「ヒヤリー・ハット」なる事実が重なってその結果、事故が生じるという考え方です。例えてみれば、水面上に見える氷山が事故であり、その下には多くの「ヒヤリー・ハット」なる事実の本体が隠れているはずだという考え方です。この水面下の「ヒヤリー・ハット」なる事実を顕かにして事前に大きな事故=労災事故を防ごうということです。
したがって、「ヒヤリー・ハット」の提出が多ければ多いほど、労災事故が生じる根元が顕かになり対策することにより、大きな事故を防げることになります。これら「ヒヤリー・ハット」を一つ一つ検討し、対策を考え職場全体に還元していきます。

(3)実際に生じた労災事故の詳細な分析と今後の改善と防止策の検討
以上が、安全衛生委員会で議論・検討されることの大まかな流れです。

第三回 2013年3月

2013.03.01更新

皆さんこんにちは。
今年も、インフルエンザの流行を経て花粉症の季節になりました。
何かと、健康を維持するのも大変な時代となってきています。
しかし、医療の発達に伴って事前の予防により、病気の発症やたとえ発症しても軽くすませる方策すなわち、プライマリーケアーも進歩してきています。
さて、前回の続きですが勤労者の安全・健康維持を有効かつ実効的にする具体的な組織構成についてお話しします。
それぞれの企業では、まず衛生安全について話し合う会を設置します。
国で言えば、国会にあたります。これを安全衛生委員会といいます。
この構成は
(1)総括安全衛生管理者(事業者あるいは工場長)
(2)衛生管理者(事業者が有資格者のなかから選ぶ)
(3)産業医
(4)衛生管理の経験のあるもの
などです。安全衛生委員会は毎月1回、開催することになっていて議事は多数決では決定しないことになっています。
このなかで、職場の「健康管理」「作業管理」「作業環境管理」の3大管理を円滑に行うための合議をしていくことになります。
そして、有効な決定事項は各部署に通達され、実行あるいは努力目標とされていきます。
以上簡単に流れを書きましたが、次回はこの会議でどのようなことが議論されているかについてお話ししたいと思います。

第二回 2013年1月

2013.01.01更新

皆さんこんにちは。
寒い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は産業医がどのようなものかということの概観を示したいと思います。
産業医の基盤は、臨床医とは少し違っていて法律に強く則って仕事の内容が決められているということです。
例えば、「月1回以上職場の巡回をしなければならない。」とか「健康診断結果の内容を個人個人に知らせなければならない。」など、仕事の内容が定められています。
職場は、定年に至るまでで人生で最も長く過ごす場所であるにもかかわらず、戦前までは、職場での健康維持管理が重要視されていませんでした。
戦後憲法は主権者である国民の「生命・自由・財産」を守ることを主眼として成立しています。そこには、医療と関連する「生命を守る」ということが謳われています。
そこで、憲法理念から派生した法律で産業医に関連する基本的法律は、皆さんもご存知の「労働基準法」です。この法律から安全衛生部分を独立させた形で「労働安全衛生法」が昭和47年にできあがりました。この法律の趣旨は「職場における労働者の安全と健康を確保するとともに快適な職場環境の形成を促進することを目的とする」とのことです。
ここでのキーワードは「労働者」「健康」「環境」「安全」です。
「労働者」はこの法律によって恩恵を受ける主体者「安全・健康・環境」は改善されるべく対象です。しかし、一方的に使用者や産業医だけに義務を課しているのではなく企業全体で協力していくことが望まれています。
次回はこれらが、どのような構成で運営されているかお話しします。

第一回 2012年12月

2012.12.01更新

皆さん初めまして。
小田内科クリニックの院長の小田です。
昨年の12月1日に開業して以来、早1年がたちました。
夢中で走り抜けた1年でもあり、その間、多くの方々の援助や助言に感謝しております。
今後とも、どうかよろしくお願いいたします。
さて今回、診療とは少し違った角度から、健康というものを考える場を作ってみました。
いわゆる、プライマリーケアーの範疇に入る「産業医」としての視点で予防医学を考えていきたいと思います。多分に私自身の考え方や、あまりなじみのない知識が出てくることから、エッセイ的な要素が多いと思いますので気楽に読んでいただきたいと思います。
そこで、そもそも「産業医」とはなにかということですが、それについて詳しくは次回号に譲りたいと思います。一言で言えば「病気を未然に防ぐために医学知識に基づいて、指導・助言する医師」となるかと思います。次回号からは、より具体的なお話に移っていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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