第八回 2014年3月
2014.03.01更新
皆さんお元気ですか。
今回は、生活習慣病の第2回として糖尿病のお話をしたいと思います。
前回の高血圧症は、重大な病気になる前段階であるということでしたが、今回の糖尿病は病という名の通り、一人前の病気です。
「糖尿病」という名前から、尿に糖が出る病気であると理解しておられる方が多いと思います。でも実は尿に糖が多く出ることがこの病気の本質ではなく、血液中の糖がいつまでも下がらずに、だらだらと高い状態が続くことにあります。
「血液中の糖を下げる力が下がり、その結果血糖値が高い状態が続く。」
これが、糖尿病の本質です。
それでは糖を下げる力とは何でしょうか。それは糖をエネルギーに変えて消費すること、すなわち(1)ホルモンであるインシュリン(膵臓から出ています)が血液中の糖を細胞内に取り入れ(2)細胞内に入った糖をエネルギーに変換して消費する、この2つの過程が血糖値を下げる主なる力です。
インシュリン自身が糖を下げるのではなく糖を消費させるために、細胞内に糖を取り入れるのが、インシュリンのやくめです。
この2つの過程が低下すると糖尿病になると考えてもらって良いと思います。
(1)インシュリン量の低下→糖が細胞内に取り込めない。→細胞内で糖を利用できない→血中の糖が増加する→糖尿病となる。
(2)運動しない。→エネルギー消費の低下→消費の低下にかかわらず糖を多くとる。→過分な糖が血液中に残る。→血液中の糖が上がる→糖尿病となる。
このような図式が、考えられます。