第十四回 2016年1月
2016.01.01更新
明けましておめでとうございます。
はや、開業してから5回目の新年を迎えることとなりました。今年も初心を忘れず皆さんと伴に健全な医療を推進していく所存です。
さて、健康診断の項目は前回までの血液検査が終了し次の尿検査に移ります。
尿検査については主に尿中に含まれる異常成分の検出となります。
(1)タンパク: タンパク質は腎臓の尿細管というところから、体内に再吸収されるので尿中に検出されると、異常ということになります。
高血圧症、ネフローゼ症候群、各種腎臓病、糖尿病などで検出されます。
しかし、激しい運動後や高熱を伴う感染症などでも軽度みられることがあります。
(2)糖: 糖もまた、尿細管で再吸収されるので検出されたら異常ということになります。代表的なのは糖尿病です。
しかし、血液中の糖は高くないのに尿に糖が検出される場合があります。
これは、尿細管での糖の再吸収の閾値が低いために糖が尿にでることがあり腎性糖尿病といって、真性の糖尿病とは区別されます。
(3)血液: 腎臓では、血液中のいらない成分を分離濾過して外に排出するのが本来の機能ですが、その血液そのものが外に出るということは、異常であることは解ると思います。
したがって、尿を作り排出するというすべての過程で関与する血管のなんらかの破綻が原因であり腎性、腎後性(尿管や膀胱)での精査が必要となります。
以上、代表的な3種類の成分を上げましたが、その他ケトン体、ウロビリノーゲン、沈渣なども調べることがあります。次回は胸部レントゲンと心電図についてお話しします。