第十三回 2015年11月
2015.11.01更新
秋も深まり、朝夕は寒さを感じる季節となりました。皆さんお元気ですか。
さて、今回は脂質系についてお話しします。
総コレステロール(T-ch)、中性脂肪(TRG)、善玉コレステロール(HDL-ch)、悪玉コレステロール(LDL-ch)等は
血液中の脂質を示しています。
総コレステロールが高いと良くないといわれますが、一概にそうとも限りません。
総コレステロールは善玉コレステロールと悪玉コレステロールの総和とほぼ等しいので、
総コレステロールが高くてもその中の善玉が多ければさほど問題がなく、
悪玉の比率が多い場合の高コレステロールが問題となるわけです。そこで善玉であるHDL-chを調べるわけです。
悪玉コレステロールの比率が高いと、全身の血管の動脈硬化を促進し様々な病気の原因となります。
成人病の原因のほとんどは、この血管の動脈硬化が主たる原因であります。
たとえば、高血圧症は全身の血管が硬くなって、あるいは内腔がせまくなって、血管内圧が高くなることによって生じてきます。
また、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血なども血管が詰まったり、血管がしなやかさをなくすことで、破綻することにより生じます。
いっぽう、動脈硬化そのものが、病気かと言えばそうでもないのです。血管の硬化は年齢とともに進化するもので、加齢変化ともいえます。
したがって、いかに動脈硬化を遅らせるかが長生きの秘訣であるといえるでしょう。