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第二十回 2017年3月

2017.03.01更新

そろそろ、曙とともに梅の薫りやウグイスの鳴き声が春の足音を告げるようになってまいりました。いかがお過ごしですか。
前回メタボリックシンドロームの内容は動脈硬化促進内容と同じであることを説明しました。
そこで、メタボリックシンドロームの危険性=リスクは動脈血管一般にあてはまることとなります。動脈には太い血管から細い血管まで千差万別です。ところが皮肉なことに重要臓器と言われる脳・心臓・腎臓を流れる動脈血管は特に細く動脈硬化による狭窄や破綻(血管の一部が破れて出血)に非常に弱いわけです。
脳→脳梗塞(狭窄)脳出血(破綻)心臓→狭心症や心筋梗塞(狭窄)
腎臓→腎硬化症(狭窄)→腎不全など、生活習慣病によって生じる最終病態は血管の狭窄や完全閉塞 硬化による破綻出血がほとんどです。その根底には進行性の動脈硬化があることはもうおわかりかと思います。

第一九回 2017年1月

2017.01.01更新

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
インフルエンザの季節です。健康に十分注意してください。
さて、前回からのつづきです。
冠動脈リスク=メタボリックシンドロームということでしたが詳しく説明したいと思います。
メタボリックSYは①高脂血症 ②高血圧症 ③高血糖がその内容です。

①高脂血症:脂質異常症とも呼ばれ、血中のコレステロールや中性脂肪が多くなる状態を言います。血液は血管、特に動脈の中を流れているのはご承知の通りです。血液は常に流れていますがその中に溶け込んでいるコレステロールや中性脂肪が多いと血管壁に付着しやすくなり時間とともに沈着してゆき血管内腔を狭くしていきます。同時に血管壁の弾力性を奪い堅くしてゆきます。これが、動脈硬化です。

②高血圧症:動脈血管内の圧を反映しているのが血圧です。文字通り、高血圧症は動脈血管の内圧が高い状態です。内圧が高いと血管壁を押し、血管壁が引っ張られるので壁が次第に太く堅くなってきます。
そうです、動脈硬化を促進することになるのです。

③高血糖:糖尿病によって生じる血管内の高血糖は血管内に糖の沈着や脂質代謝異常による脂質沈着を促進しこれもまた、動脈硬化に資するものとなります。

第一八回 2016年11月

2016.11.01更新

紅葉が美しい季節となりました。枯れた物に対する慈しみを感じる希有で深みのある文化は大変素晴らしいと思います。
さて、前回の終わりに述べた「冠動脈リスク」についてお話しします。冠動脈とは筋肉である心臓の表面を走る細い血管網で心筋のポンプ作用を可能にするエネルギー代謝を担う血管網です。
簡単に言えば、心臓を栄養している血管網です。当然、この血管に異常があれば心臓に栄養が十分いかなくなるために機能に支障が生じるわけです。具体的に言えば冠動脈硬化症により、血管内腔が細くなったり、果ては詰まったりしてくることです。前者の状態は「狭心症」後者は「心筋梗塞」といった疾患になるわけです。
従って「冠動脈リスク」とは狭心症や心筋梗塞に移行させるリスク=危険を意味します。
前回のメタボリックシンドロームでの冠動脈リスクはメタボリックシンドロームの内容そのものとなります。

第十七回 2016年9月

2016.09.01更新

そろそろ、暑さもやや和らぎ秋の気配が感じられる様になりました。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。秋と言えば・・・読書の秋、勉学の秋、そうです、食欲の秋です!
そこで今回は少し専門的になるのですが巷でよく耳にする「メタボリックシンドローム」についてお話ししたいと思います。
日本語に直訳すると「代謝症候群」ということになります。なんのこっちゃ?ですね。

一言で言うと、冠動脈(心臓を栄養している血管)に高リスクを持つ人たちは、ある一定の種類の検査値に異常が認められる。
このように潜在的に冠動脈にリスクがある状態のことを「メタボリックシンドローム」と呼んでいます。
まだわかりにくいと思いますので、具体的にお話しします。

ある一定の種類の検査値異常とは以下の異常です。

a. 腹部の肥満(ウエスト)
男 85cm以上
女 90cm以上

b. 高中性脂肪
男女とも150mg/dl以上
低HDL(善玉コレステロール)男女とも40mg/dl以下

c. 高血圧
男女とも収縮期血圧が130以上
拡張期血圧が85以上

d. 血糖値
男女とも空腹時血糖で110mg/dl以上

以上のうち、「a.」は必須で他の「b.c.d」のうち2つ以上があてはまれば「メタボリックシンドロームすなわち、冠動脈にリスクをもっている。」ということになります。
この診断基準をよく見ると、そうです①肥満②高脂血症③高血圧④糖尿病の前段階程度の状態を2つ以上持つ人があてはまるわけです。
次に冠動脈にリスクがある状態、とは何でしょうか。
これについては、次回詳しく説明したいと思います。

第十六回 2016年7月

2016.07.01更新

暑中お見舞い申し上げます。
そろそろ、梅雨も明けこれからが夏本番ですね。夏に強い人と弱い人とそれぞれですが、仕事に、遊びに活動が他の季節より活発になってきます。そこで、気を付けたいことは暑さを軽く見ないということです。
そこで今回は、「熱中症」についてお話ししたいと思います。
イメージとしては、体の中で起こる火事と思っていただければ良いと思います。
熱中症は、外にいるときだけでなく、仕事中や入浴中など屋内にいるときにでもよく起こります。原因は、体内にこもった熱が外に出ないため、異常に高温となるために生じます。
症状としては、①発熱②意識障害(軽度~重度)③痙攣等、かなり重篤です。したがって、暑い環境下で、このような症状があれば熱中症を疑い、安静にさせ、水分補給と体を冷やすことが重要です。しかし、ふつうは手に負えないことが多いので、すぐに救急病院に転送することがよいでしょう。
予防ですが、発生の原因から①十分水分を取る②熱がこもらない服装をする③睡眠をよく取り体力を付ける等です。
暑い環境にさらされる機会が多くなるため、予防には特に留意して快適な夏をおくりたいものです。

熱中症予防8か条
1.知って防ごう熱中症
2.暑いとき、無理な運動は事故のもと
3.急な暑さは要注意
4.失った水と塩分を取り戻そう
5.体重で知ろう健康と汗の量
6.薄着ルックでさわやかに
7.体調不良は事故のもと
8.あわてるな、されど急ごう救急処置

第十五回 2016年3月

2016.03.01更新

自然も人間も来たるべき本格的な春に向かって
準備の時期である3月となりました。皆さんお元気ですか。
今回は、健康診断の最終回です。
残っていた、心電図とレントゲンについて、お話しします。
まず、心電図ですが一般に心臓を12の方向から電気的に見ています。
それぞれの方向の波形の総合によって、診断します。
主に、2つのことに注目して見ていきます。
1)波形
 波形の異常により、心筋の状態や心臓の大きさが解ります。
2)リズム
 いわゆる、不整脈の診断を行います。
この2項目をもって、心臓の状態を判断します。

狭心症、心肥大、心不全 等は波形の総合で診断します。
心房細動、期外収縮、脚ブロック 等はリズム異常で診断します。

次に胸部レントゲンについてですが、
これはエネルギーの強い電磁波の透過性における強弱をフィルム上に感光させて診断します。
透過性が良い組織や状態でより黒く写ります。
健康診断での胸部レントゲン検査では、主に感染症、特に結核および腫瘍類の早期発見が目的となります。

以上、ざっとですが健康診断項目の意義と目的についてお話ししました。

第十四回 2016年1月

2016.01.01更新

明けましておめでとうございます。
はや、開業してから5回目の新年を迎えることとなりました。今年も初心を忘れず皆さんと伴に健全な医療を推進していく所存です。
さて、健康診断の項目は前回までの血液検査が終了し次の尿検査に移ります。
尿検査については主に尿中に含まれる異常成分の検出となります。

(1)タンパク: タンパク質は腎臓の尿細管というところから、体内に再吸収されるので尿中に検出されると、異常ということになります。
高血圧症、ネフローゼ症候群、各種腎臓病、糖尿病などで検出されます。
しかし、激しい運動後や高熱を伴う感染症などでも軽度みられることがあります。

(2)糖: 糖もまた、尿細管で再吸収されるので検出されたら異常ということになります。代表的なのは糖尿病です。
しかし、血液中の糖は高くないのに尿に糖が検出される場合があります。
これは、尿細管での糖の再吸収の閾値が低いために糖が尿にでることがあり腎性糖尿病といって、真性の糖尿病とは区別されます。

(3)血液: 腎臓では、血液中のいらない成分を分離濾過して外に排出するのが本来の機能ですが、その血液そのものが外に出るということは、異常であることは解ると思います。
したがって、尿を作り排出するというすべての過程で関与する血管のなんらかの破綻が原因であり腎性、腎後性(尿管や膀胱)での精査が必要となります。

以上、代表的な3種類の成分を上げましたが、その他ケトン体、ウロビリノーゲン、沈渣なども調べることがあります。次回は胸部レントゲンと心電図についてお話しします。

第十三回 2015年11月

2015.11.01更新

秋も深まり、朝夕は寒さを感じる季節となりました。皆さんお元気ですか。

さて、今回は脂質系についてお話しします。

総コレステロール(T-ch)、中性脂肪(TRG)、善玉コレステロール(HDL-ch)、悪玉コレステロール(LDL-ch)等は
血液中の脂質を示しています。

総コレステロールが高いと良くないといわれますが、一概にそうとも限りません。
総コレステロールは善玉コレステロールと悪玉コレステロールの総和とほぼ等しいので、
総コレステロールが高くてもその中の善玉が多ければさほど問題がなく、
悪玉の比率が多い場合の高コレステロールが問題となるわけです。そこで善玉であるHDL-chを調べるわけです。
悪玉コレステロールの比率が高いと、全身の血管の動脈硬化を促進し様々な病気の原因となります。

成人病の原因のほとんどは、この血管の動脈硬化が主たる原因であります。
たとえば、高血圧症は全身の血管が硬くなって、あるいは内腔がせまくなって、血管内圧が高くなることによって生じてきます。

また、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血なども血管が詰まったり、血管がしなやかさをなくすことで、破綻することにより生じます。

いっぽう、動脈硬化そのものが、病気かと言えばそうでもないのです。血管の硬化は年齢とともに進化するもので、加齢変化ともいえます。
したがって、いかに動脈硬化を遅らせるかが長生きの秘訣であるといえるでしょう。

第十二回 2015年9月

2015.09.01更新

皆さんこんにちは。
今年の夏は異常に暑かったうえに、大型台風にも見舞われ健康にも、日常生活でも大変だったことと思います。
さて、前回からの健康診断結果の意味についての続きです。
今回は、クレアチニン(Cr)と遊離窒素(BUN)から始めていきます。
クレアチニンは、主に筋肉の分離物(代謝物)で腎臓から排出されます。
これが、血液中に多いと腎臓の機能が低下している証拠となり、したがって腎臓機能を反映することになります。
この値が大きい→腎臓からの排泄が減少→腎機能の低下ということです。
遊離窒素は主にタンパク質の分解物のひとつで、同様な理屈で血液中の値が大きいと腎機能の低下が疑われます。
次に、アミラーゼという酵素がありますが、これは主に膵臓と耳下腺から分泌されます。これが上昇していると、膵炎や耳下腺炎が疑われますが、さらなる検査が必要となります。
以上が、一般的な臓器のスクリーニングとして意味を持つ血清検査です。

第十一回 2015年7月

2015.07.01更新

皆さんお元気ですか。
だいぶ、間が空いてしまいました。再び2ヶ月に1回のペースで再開したいと思います。
それでは、前回の続きをお話しします。

健康診断で

今回は血液の液性成分についてお話しします。液性成分と言っても、血液はすべて液体の様に見えますが、その中には前回お話ししたように固形成分が多く含まれています。しかし血液の大半は血清という液性成分がほとんどを占めています。
血清は血液を遠心分離したその上澄みの液体部分を言います。その中には、酵素・免疫のタンパク・アルブミン・糖・脂質・電解質等があり、健康診断で血液を採って調べる項目はこの血清を材料としています。
健康診断の用紙を用意してみてください。項目の中にGOT,GPT,γ-GPTという項目があると思います。これらはいずれも肝臓及び胆道に多く含まれる酵素です。これらの上昇は肝臓あるいは胆嚢の異常を示しています。
次に、総コレステロール(T-ch)、中性脂肪(TRG)、HDL-ch等は血液中の脂質量を示しています。
総コレステロールが高いと良くないといわれますが、一概にそうとも限りません。総コレステロールは善玉コレステロールと悪玉コレステロールの総和とほぼ等しいので、総コレステロールが高くてもその中の善玉が多ければ問題がなく、悪玉が多い場合の高コレステロールが問題となるわけです。そこで善玉であるHDL-chを調べるわけです。悪玉コレステロールが高いと、全身の血管の動脈硬化を促進し様々な病気の原因となります。

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